墨田区が一括購入した筈のピーターモースコレクションから消えた北斎の版画の謎! [開館後毎年5億円の赤字!すみだ葛飾北斎美術館]
平成5年までピーターモースコレクションに存在して居た「冨獄三十六景 小礫川雪ノ旦(ふがくさんじゅうろっけい こいしかわゆきのあした)」前北斎為一筆(さきのほくさいいいつひつ)で希少価値の高い初摺りとみられます。
平成5年1月24日墨田区がピーターモースコレクションを一括購入した事を伝える新聞の記事ですがこれによると「数点しか現存しない初摺(しょず)り「冨獄三十六景」の版画、など版画691点。この他北斎研究蔵書三千点。」と書かれています。
当時の他の聞社記事でも同様の事が伝えられて居ます。
墨田区がピーターモースコレクションを一括購入した当時の区議会の議案第59号で取得価格は新聞記事とほぼ同じです。
議案に添付された別紙の数量と当時の新聞記事に書かれた数量は版画691点に対し版画138点、刷物154点、版本93点これらを合計しても385点しか無く、その差額309点が消えて居ます。
新聞報道では「北斎研究蔵書三千点」とあるのに、美術資料44点、北斎派資料12点、参考資料1点の合計57点しかなくその差額2,943点の世界的コレクターのピーター・モース氏の北斎研究蔵書が消えて居るのです。
当時の区議会議員はこれに何の疑問も感じなかったのでしょうか。
現在の区議会でも契約案件は議案だけでは契約内容が把握出来ないので入札仕様書を出す様に求めても議決後でなければ出して来ない状況でもお役人の出す議案何でも賛成と言う議員ばかりで議決されています。
当時の区議会も議会としてのチェック機能が働いて居たのか疑問です。
私が調べてみますとピーターモースコレクションのリスト「冨獄三十六景 小礫川雪ノ旦」が含まれている筈なのですが、墨田区のピーターモースコレクションのリストには載っていないのです。
そこで契約書を確かめようとして情報公開しますと契約書は5年間の文書保存期間を過ぎたので廃棄してしまい無いと言うのです。
杜撰な管理は確かなのですが、ピーターモースコレクションから何者かが版画309点、北斎研究蔵書2,943点を持ち出しその証拠を隠滅する為に廃棄したのではないかと言う疑惑を感じるのは私だけでしょうか。
その後墨田区は平成20年に墨田区は2,100,000円でご覧の後刷りとみられる「冨獄三十六景 小礫川雪ノ旦」を購入しています。