区外施設調査で伊豆高原荘！建築後30年以上経った建物と設備の状況を調査しました。

10日区外施設調査が実施され伊豆高原荘の調査が行われました。

伊豆高原荘は昭和54年1月29日に開設され今年で30年を経過し外見はしっかりしているもののやはり細かい設備面での老朽化や時代のニーズに合わない内装などがございました。

昭和54年の開設当時には2万人を超える利用者があり、23年は震災の影響で10月現在で約9千人に落ち込んでおりますが、平成22年度の利用者は約1万5千人でした。

30年前の開設当時と比べ約5千人減と言う情況は、経済情勢や娯楽の変化施設の老朽化と言うマイナス面を考慮すると、はっきり言って頑張っていると評価すべきだと思います。

ボイラー室の設備の状況を調査しましたところ設備の維持管理もしっかり行われており、ボイラーは３基うち１基は温泉用ですがバックアップ体制は充分でしたが、エアコンは関係は１基しかなく故障すれば全体の冷房が止まってしまう可能性があり、墨田区の財政難で設備の改修が後回しにされていると感じました。

大きな問題点は、エレベターが無く高齢者や障碍者が使いにくい点や、客室にトイレが無い、大広間にテーブル席が多く取れないなど、時代の変化に対応出来ていない点がありました。

こうした中でも、利用者が比較的減少していない背景には、一泊食事付で５千円代と言う宿泊料の安さがあり、家族連れなど経済的負担が少なくて済む事が挙げられ、更に、食事が美味しいとの評判が良い点だと思われます。

評判の美味しい料理の秘訣は多くの板前さんがおり新鮮な素材を調理して提供出来る体制が整っていました。

特別メニューで出されるアワビや伊勢海老の刺身盛りや海鮮しゃぶしゃぶの3コースが各６千円で用意されており宴会等を盛り上げると共に、売り上げの増加に貢献しています。

画面左が３千円の伊豆地魚コースと画面右の特選コース2,100円の料理のランクアップが可能で、ちなみに最も安いコース料理は1600円です。

写真はオプションとして追加注文可能な料理ですが、250円～1500円と言うお手頃な値段も魅力です。

こうした細かなサービスが可能なのは、平成16年度から導入された指定管理者制度で、民間の企業に管理やサービスを委託し、5年毎に契約が更新されるため民間企業の努力の成果だと感じました。

しかしながら、施設の老朽化で施設自体が時代のニーズに合わなくなっている懸念も感じられ、民間だけの努力では限界がある様に感じます。

やはり、内装を改装し、全客室をトイレ付の客室にしたり、高齢者が使い易い様にベットのある客室を増やしたり、大広間を畳敷きから椅子とテーブル式に変え、エレベターの設置をするべきだと思います。

私の概算では、延べ床面積や客室の数、営繕関係から改修の必要なもの全てをリニューアルしても1億5千万円程度でかなり便利で利用し易い施設に変わるのではないかと思います。

墨田区は、毎年多額の赤字が出るすみだ北斎美術館を建設しようとしていますが、予想される年間赤字の半年分もあれば、充分に伊豆高原荘がリニューアル出来てしまいます。

新たなハコモノよりも、既存の建物の管理すら出来ない状態で、北斎美術館はいりませんし、既存の施設を適正に管理して、区民サービスを向上させる方に努力するべきではないでしょうか。

墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.138～0.131マイクロシーベルト（午前9時～午前10時）