区が建設を強行！すみだ北斎美術館のお粗末な中身を知ろう！第1話杜撰な内容

昨年12月発行の北斎かわらばん第19号に掲載されたすみだ北斎美術館建築概要ですが、実質的に稼働すると思われるのが常設展示室の190㎡でここを観覧するのに400円の観覧料である事が昨年の維持管理の試算から出されました。

190㎡と言うと3ＤＫのマンションの4つ分の広さですから美術館としてはとても狭く１回の入場者が100名も入れば圧迫感がある広さです。

観覧者の観覧時間が30分としても、8時間稼働で最大1600人が限界で仮に観覧者全てが400円を支払ったとしても1日64万円しかなりません。

しかも、常時これだけの人が入るとは到底考えられず、実際にはこの3分の1程度の500人が入れば良い方だと思われます。

1階にミュージアムショップが出来る様ですが、建物の構造から販売スペースが僅かしか取れず、仮にショップが開業しても採算が取れない可能性が非常に高く、現在でも店舗の入店の目途すら立って居ません。

更に問題は、江戸東京博物館との競合可能性があり、江戸東京博物館の入館料は500円ですから広さや展示内容、利便性を比較すると来館者はわざわざ400円も支払って来るとは思えません。

これは先月発行された墨田区の区報「すみだ」の表紙に墨田区所蔵として掲載された葛飾北斎の版画の冨獄三十六景　江都駿河町三井見世略図ですが、近くの江戸東京博物館所蔵の冨獄三十六景　江都駿河町三井見世略図がありますので、わざわざ購入するまでも無く企画展等では借りて来れば済むのではないでしょうか。

中央の赤い矢印部分をご覧ください、折れか擦り傷の様なものが見られ、これは「中折れ」と言わるもので保存状態が良くなかった事を意味しています。

江戸東京博物館所蔵のものも墨田区所蔵のものはそもそのお金の出処はそも我々都民の税金ですから、税金を無駄な無く効率的に使うべきだと思います。

墨田区は、「世界的に有名な葛飾北斎を顕彰する為に美術館を建設する」とその理由にしていますが、この様な保存状態の良くない版画を購入している事を見ても、北斎作品についての認識が希薄で、美術に関する考察も乏しいと言わざるを得ません。

そもそも芸術を理解しようとしないまま、お役人の天下り先作りが目的でハコモノを作る訳ですから、内容などどうでも良いのかも知れません。

しかし、多額の国民の税金が使われ、毎年多額の区民の税金がこの維持管理費等に使われるのですから放置出来る問題ではありません。

これは平成23年度にわざわざ最終補正予算が組まれ購入された北斎資料56点の一部で購入価格は何と21,895円です。

購入価格は安いのは良いかも知れませんが、この金太郎図は北斎の弟子の中では筆頭の、魚屋北渓と共に双璧とされる蹄斎北馬の肉筆とされるものです。

注目して戴きたいのが桃太郎がイノシシに乗って居る事で、桃太郎は日本の童話では金太郎は足柄山で熊と相撲を取った事から熊に乗って居るイメージです。

天保7年（1836年）頃の歌川国芳の版画「坂田怪童丸」と比べても歌川派の画風を取り入れた北馬がこの様な貧弱な金太郎を描くとは思えません。

北馬の肉質の本物は大英博物館にある「浅妻船図」（下記のリンクをご覧ください）と比べると天と地の差があります。http://www.britishmuseum.org/research/search_the_collection_database/search_object_details.aspx?objectid=785260&partid=1&output=People%2f!!%2fOR%2f!!%2f147756%2f!%2f147756-2-58%2f!%2fPainted+by+Teisai+Hokuba+(%e8%b9%84%e6%96%8e%e5%8c%97%e9%a6%ac)%2f!%2f%2f!!%2f%2f!!!%2f&orig=%2fresearch%2fsearch_the_collection_database%2fadvanced_search.aspx&currentPage=1&numpages=10

墨田区は美術品の価値が解らないまま、ガラクタを買い集めて居る可能性があり、開館したらガラクタだらけと言う可能性が否定出来ないのではないでしょうか。

毎年1億円の北斎資料収集基金でガラクタばかり買われては区民としては困りますし、一刻も早くこんな美術館計画は白紙撤回すべきです。

墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.155～0.147マイクロシーベルト（午後11時～午前0時）