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第20回松本清張賞受賞された作家山口恵以子さん主催の大宴会に出席しました。 [日本文化]

20130831-1.jpg[カメラ]31日第20回松本清張賞受賞された作家山口恵以子さん主催の大宴会パーティーが帝国ホテルで開催され、20年近く苦労を共にして来た松竹シナリオ研究所のOBを中心に結成された時代劇研究会のメンバーが招待されました。

写真は、第20回松本清張賞受賞作「月下上海」(文藝春秋)にサインをして下さっている作家山口恵似子さんです。

やはり仲間を大切にする山口さんの人柄を感じさせるパーティーで招待状に「大宴会」と書かれておりましたので散財覚悟のパティーだと思い、こちらもドン・ペリニヨン(Dom Perignon)ヴィンテージ2004をプレゼントしました。

流石に大宴会とあって帝国ホテルの料理長を26年も勤められた故村上信夫シェフの考案されたフランス料理に高級ワインやシャンパンが飲み放題の状態でした。

そこで作品が生まれる過程での面白い話を伺いましたのでご紹介したいと思います。

松本清張賞受賞作「月下上海」では、昭和17年頃の上海の街が目の前に広がるかの様に緻密かつ具体的に描かれて居る事について伺いました。

驚いた事に「上海には行った事が無い」と言うのです、何故かと言うと恐らく現在の上海は当時の面影を残す事無く都市の再開発が進みこれを見てしまうとイメージが崩されてしまうからだそうです。

執筆にかかった期間は構想の下書きの段階で2ヶ月、時代考証の為の資料収集等で3ヶ月かかり、それを基に書き始めたそうで、約1年がかりだった様です。

新聞社の社員食堂の主任と言う仕事を続けながらの状態で400字詰原稿用紙400枚分の文章を書く訳ですからそうとう大変な作業だったと思われます。

現在でも、社員食堂の仕事を続けながら作家活動をしている上に、テレビ等の出演要請が相次ぎ大変忙しいのが実情です。

「月下上海」の売れ行きも好調で書店では売り切れで平積みなど出来ない店もあり、増刷が決定したそうです。

次は直木賞を狙っておられる様で、創作意欲は旺盛です。

時代劇研究会のメンバーには放送作家やライターで生計を立てて居る方もいらっしゃいますが、小説家として賞を取る人が出た事に皆さん大喜びでした。

また、一生懸命作品を創り続けて居ても日の目を見ない人達も当然多く、先の見えない中で不安定な仕事をしながら細々と書き続ける人達が多いのです。

やはり書き続ける事で作品の基となる引出の数が増えて行き、ネタ切れとなっても過去の作品から素材を取でして新たな作品を作り出すチャンスになります。

小説はシナリオとだいぶ違い、映像表現を前提とした設計図の様なシナリオとは異なり、より自由な発想や表現が可能ですので面白い世界だと思います。

しかしながら、現在は活字離れが進んでおりますので大変厳しい環境にある事は言うまでもありません。

一方では映像はそらなりの潜在需要はある筈ですが、それにかかる製作費を回収する事が困難である事は言うまでもありません。

何れにしても、新しい作品を創り出す環境が大変厳しい中で作品を創り出す人達が浮かばれる社会作りが必要なのですが、逆に年々厳しくなっているのが実情です。

ルネッサンス期には王侯貴族が芸術家のパトロンとなり、生活や創作活動の資金を出しておりましたが、現在はそうしたパトロンとなる人達が居ないと言うのも困ったものです。

やはり創作に必要なのは仲間で、お互いの作品を発表し、議論しながらお互いを刺激しながら少しづつ実力が付いて来るものですし、その中で成功した人達が仲間を引っ張り上げて行く事も大切です。

クリエーターにとって大切な事は仲間同士が助け合う事で、知恵を出し合ったり互いに仕事を回したりする事が出来る仲間を持つ事で、浮き沈みの激しいこの業界で生き残る知恵かも知れません。

振り変えれば時代研も多くの脱落者を出しておりますが、脱落の要因の多くが生活か創作かの岐路に立たされる事が多い様に思いますが、山口さんの様に生活が出来る基盤を持ちながら創作活動をする事も必要なのかも知れません。

しかしながらこれには、相当強い意志が無いと出来ない事で、多くの人達はある程度生活が期限に追い詰められないとやる気にならないのが実情かも知れません。

[ひらめき]墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.151~0.146マイクロシーベルト(午後11時~午前0時)


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