墨田区議会平成27年度第1回定例会で議案4件について反対討論を行いました。 [墨田区議会]
17日平成27年度第1回定例会が開催され議案の議決が行われました。
大瀬康介は議案中4議案に反対する為に反対討論を行いましたのでその原稿を公開致します。
墨田オンブズマンの大瀬康介でございます。
これより、議案第1号平成26年度墨田区一般会計補正予算、議案第16号すみだ北斎美術館の管理運営に関する条例、議案第19号墨田区立公園条例の一部を改正する条例及び議案31号すみだトリフォニーホールの指定管理者の指定について、以上4議案について、反対の立場から討論を行います。
はじめに、議案第1号についてです。本案は、すみだ北斎美術館に展示する肉筆画の購入に1億5千万円を使うにもかかわらず、更に別に約1,200万円もの北斎資料取得のための予算は当区の財政状況を考えますと余りにも過大であると言わざるを得ません。
そもそも毎年1億円もの北斎館資料取得基金は過大過ぎて、それに見合う北斎資料は入手が困難で、展示に耐えないと思われる門人の肉筆購入等私達の税金を無駄に使っていると言わざるを得ません。
基金を存続させる必要は無く廃止すべきだと思います。
更に、ひきふね図書館の起債部分の借り入れについて企画総務委員会では金利についての具体的な答弁がございませんでしたが、調べて見ると財団法人首都圏不燃公社からの借入利息は年利2.916%だそうですが、当時は金融緩和期ですから民間金融機関の貸出金利は通常短期プライムレート程度で貸し出されるのが普通です。
当時の短期プライムレートの最頻値は1.475%ですから、墨田区は不燃公社から短期プライムレートの2倍もの常識では考え難い高金利で借りて居た事が分かります。
私の友人の大手銀行の役員にお伺いしますと、特別な事情が無ければこの様な高い金利になる訳はない、のではないかと指摘されました。
平成20年12月2日の区民文教委員会の「統合新図書館の基本計画・基本設計について」と題された文書にある統合新図書館事業概要によると床取得費が19億2千万円、利子相当額が3億3千万円、公社事務費が1億7千万円の合計24億2千万円が床取得に係る債務負担行為限度額と書かれ、利子相当額がこの段階で含まれて居ます。
更にオプション部分として内装・設備工事費に6億5千万円、備品等が3億5千万円の合計10億円が、双方で34億2千万円が使われて居た事が分かります。
そこで事業原価が土地15億6,800万円、建物35億7,400万円の合計51億4,200万円なのに墨田区は床取得費と内装費等で34億円2千万円を支払いますとこの段階で計算上、事業費総額の67パーセントを回収する事になります。
内装費を除く床部分だけで計算しても事業費総額の47パーセントになり、総事業費全体に対する割合が高過ぎるのではないでしょうか。
このように不明な点が多くあり、よって本案に賛成することはできません。
次に、議案第16号すみだ北斎美術館の管理運営に関する条例についてです。
本条例は、次の点について問題がございます。第1に、北斎資料は区民の税金で取得されたものなのに資料の収集、保管、展示及び利用に関する事までが指定管理者が行う事になりますと、「管理上支障があるとき」という具体性を伴わない条文が、指定管理者によって恣意的に解釈される恐れがございます。
これでは公正な利用が出来なくなる恐れがあります。
第2に、調査研究が謳われて居りますがその研究主体や研究体制が定められておらず、これも恣意的な解釈で研究と言う名目で多額の資金が使われる恐れがございます。
この様な管理者の裁量部分が多く、その都合で恣意的に都合良く解釈され易く、その一方で区民の皆様の権利が侵害される恐れのある条例には反対致します。
次に、議案第19号 墨田区立公園条例の一部を改正する条例についてですが、これは、緑町公園内に有料施設であるすみだ北斎美術館を設置することを目的とするものであり、とても承服でませんので、本案には反対いたします。
最後に、議案第31号 すみだトリフォニーホールの指定管理者の指定についてです。
すみだトリフォニーホールは開設以来ずつと墨田文化振興財団が指定管理者です。
18年間も同じ指定管理者にさせる事はサービスのマンネリ化と固定化を招きますし、一事業者しか応募がなかったということは、指定管理者の募集の内容も不透明で他の業者が参入しづらくされていると思われ、適正な状態では無く既得権が優先されている結果ではないでしょうか。
これでは区民に対する説明責任が果たせませんので、本案には反対致します。
私からの反対討論は以上です。ご清聴ありがとうございました。