SSブログ
もうすぐ100年!史的建造物両国公会堂を守ろう! ブログトップ
- | 次の10件

もうすぐ100年!両国公会堂を守ろう!第1話 著名な建築家辰野金吾と森山健四郎 [もうすぐ100年!史的建造物両国公会堂を守ろう!]

20140217-1.jpg[カメラ]本所公会堂は大正13年の関東大震災後復興事業の一環として行われ大正15年(1926年)に建築された当時の図面を探し出して見ますと外観はご覧の様に正に大正モダンを代表する様な素晴らしい建築物だったのです。

この貴重な歴史的建造物が官僚利権で取壊しの危機にございますので、その大切さについて内部画像を含めまして今後シリーズで解説して参ります。

20140217-2.jpg[カメラ]本所公会堂は旧東京市から本所区(墨田区)に旧安田庭園と本所公会堂の管理が移管されますと悲惨な運命をたどり始め、写真は恐らく1970年代頃に恐ろしく杜撰な改修が行われ現在の姿になってしまいました。

この本所公会堂は両国公会堂として墨田区民に利用されるのですが、平成15年になるとこの建物自体が閉鎖され現在に至って居ます。

この背景にはハコモノを次々に作り過ぎて墨田区を東京23区で借金比率ワースト1位にしてしまった奥山澄雄区長の存在があります。

奥山区長は錦糸町北口開発でアルカタワーズビル群が作り、約50億円の巨費を投じですみだトリフォニーホールが作られた為に両国公会堂は平成15年に閉鎖されてしまいます。

墨田区は地方自治体でありながら役人出身で山崎榮次郎、奥山澄雄、現在の山崎昇区長と3代も同族の区長が続くおかしな構造になっており、官僚利権はこうした歴史的な文化材にまで及んで居ると言っても過言ではさりません。

さて、話は大正時代に遡りますが、本所公会堂は日本の近代建築のルーツを持つ大切な歴史的建造物なのです。

墨田区では歴代区長がこの建物を粗末にして来たのは、官僚利権が優先された事と歴代区長の教養の無さを指摘せずには居られません。

20140217-3.jpg[カメラ]写真は、国の重要文化材に指定されている日本銀行本店や東京駅の駅舎の設計を行った建築家辰野金吾 (たつの きんご、1854年10月13日~1919年3月25日) 氏です。

辰野金吾氏は肥前国(現在の佐賀県)唐津藩の下級藩士の出身でしたが江戸幕府が崩壊して明治維新になるとこれまでの身分制から解放され工部大学校(現在の東大工学部)の第一回生となり英国に留学してロンドン大学で西洋建築を学びます。

同郷の唐津藩士の曽禰 達蔵(そね たつぞう)(丸の内オフィス街の建築や現存する重要文化財の慶応大学図書館や小笠原伯爵邸で知られる優れた建築家)とも共にロンドン出身の建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)の下で学びました。

この辰野金吾氏による建物は墨田区にあったのですが今では取り壊され現存しません。

それは両国の回向院付近にあった国技館 (1909年築)でのちに蔵前国技館が作られた為に昭和33年6月以降は日大講堂として使われましたが昭和57年に老朽化を理由に解体されてしまいました。

本所公会堂を設計したのは辰野金吾氏の弟子の森山松之助氏その偉業は日本よりも台湾で知られた人物です。

20140217-4.jpg[カメラ]写真は本所公会堂を設計した森山松之助氏は外交官・貴族院議員を務めた森山茂の子として明治2年に生まれ東京帝国大学工科大学建築学科で辰野金吾の下で学び卒業後は台湾総督府営繕課在任し台湾の多くの官庁建築物を設計し台湾では最も代表的な建築家で知られて居ます。

墨田区はこれ程貴重な文化遺産があるのにその価値が分からないの上に極めてお粗末な側面を持って居ます。

その理由は墨田区が建設を強引に進めようとしている「すみだ北斎美術館」の設計が世界的に有名な建築家だと言うふれ込みですが、図面を拝見しましたが新奇性はあるものの私はそんなに素晴らしい設計とは思えません。

またプリツカー賞自体が比較的歴史の浅い賞ですから、建物が100年以上も現存する事を考えますとこの様な歴史の無い賞で判断するべきではありませんし、建築界のノベール賞などと言う宣伝文句に乗せられてはなりません。

歴史的な建造物は壊してしまえばそれでおしまいですが、保存する事でその歴史的な背景や技術の進歩歩みを後世に伝え残す事が出来ます。

両国公会堂は辰野金吾の石材や煉瓦による建築から、森山健四郎の時代になると鉄筋コンクリートを使用した建築へ変わる移行期でもあり、鉄筋コンクリートで作られた本所公会堂は当時としては最先端の技術で作られて居ます。

引続き折を見て詳しく解説して参ります。


nice!(24) 
共通テーマ:ニュース
- | 次の10件 もうすぐ100年!史的建造物両国公会堂を守ろう! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。