東京商工会議所墨田支部の新春特別講演地域と取り組む外国人観光客へのおもてなし

１７日東京商工会議所墨田支部の新春特別講演が開催され、外国からのお客様から人気のある家族旅館澤の屋のご主人澤功氏の講演が「地域と取り組む外国人観光客へのおもてなし」と題されて行われました。

実は私の会社にも毎年欧米からお客さんが来られ、どの様におもてなしをしようか迷う事が多いのです。

欧米人の場合は、ビジネスで来られる場合とプラーベートで来られる場合の区別が明確で、ビジネスの場合は極めて短期間でタイトなスケジュールで来られる事が多く、プライベートの場合は１か月前後滞在される事が多いのです。

この理由が、澤氏のお話の中で分かって参りました。

澤の屋さんは宿泊費が一泊4～5千円と一般のホテルよりも安く、部屋は12部屋しかなくトイレが完備された部屋は2部屋しか無いそうです。

何故澤氏の旅館が外国人から人気があるかと言えば、プライベートで来るお客さんが多く滞在期間も1ヶ月程度と長い事から長期滞在には経済的な負担が軽い事もその要因の様です。

また、ビジネスとプライベートでは宿泊先が変わるのです。

これは、私自身為替ディラー時代海外出張が多かったので分かりますが、ビジネスの場合は会社が旅費や宿泊費を経費で支払ってもらえるので、一流ホテル等に泊まれるのですが、プライベートでは一泊数万円もするホテルには泊まろうと思わないのと一緒です。

更に、欧米人は日本で人気のツアー旅行では余り来ず、個人旅行で来るケースが多いのです。

私も以前ツアー旅行に参加した事がありますが、色々な観光名所に行けるのですがスケジュールが過密過ぎて、移動の時間ばかり多くて、現地の人や文化に触れる時間が無く疲労だけが残る感じでした。

以来海外旅行は、格安の航空券だけを買い宿はネットやガイドブックで初日だけを予約して、滞在中は現地の状況を見て比較的手頃な宿泊費の宿を取る様にしています。

こうした旅の方が気に入った街や目的に応じて文化や人に触れられるからです。

やはり、日本へ来る外国人も同じだと言う事です。

ただ違うのが、日本で行われる接客のサービスが海外では有料と言う習慣がありますので、逆にこうしたサービスが警戒される恐れがあるのです。

ビジネスなら、支払いは会社なのですが、個人旅行では全て自分持ちになるのでこうした旅行者は不要なサービスは求めない事に気付いたと澤氏も言っておりましたが、同じ事を自分に当てはめれば理解出来ると思います。

以前浅草の飲食店の経営者の方が、外国人旅行者はお金を使わない割に居る時間が長いので出来るだけお断りする様にして居ると言うお話を伺った事があります。

しかし、これは間違いだと思います。

これは、そのお店のサービスやシステムが理解出来て居ないとか、メニユーが解らない注文方法が解らない等の理由がある可能性があります。

外国では現地語で書かれたメニューだけを見ても自分の好みの料理かどうか分かりません。

自分が食べたいと思う食べ物や料理がある場合は、現地で料理本を買ってそれに掲載された写真を見せて似たようなものを注文するとか、その店の定食を注文すると思いがけない美味しい料理が食べられたりします。

日本人も外国人も同じで解らない時には人間は消極的になり、常にお財布の中身を心配してしまうものです。

墨田区のお役人さんは、観光振興と言うと新しい施設を作りたがりますが、外国人観光客にしてみれば古い建物が一番興味がありますし、日本的な異国情緒を楽しみたいものです。

こうした心理状態を全く理解していない事を如実に感じるのがすみだ北斎美術館で、このデザインで葛飾北斎の居た江戸時代を外国人観光客が感じられるのか大いに疑問があります。

欧米では、古典的な美術品が展示される施設は歴史的な建造物を改装して作られるのが普通で、現代アートならともかく異国情緒が無く、外国人から見れば面白くなさそうだと感じるのではないでしょうか。

澤氏は、最後にホスピタリティー（hospitalty)つまり親切なおもてなしについて触れ、これは一言で言えば「ご自由にお過ごしください」に尽きる様です。

この心理は、旅をを求めるのと同じで、何の干渉もされない空間でプライベートな時間を楽しむのと似ているかも知れません。

こんな時に、初めて見る光景や面白い伝統文化に触れると得をした気分になります。

また、外国人観光客はそもそも外国で言葉が通じない事は当たり前と認識していますから、言葉よりも気持ちを伝える事が一番大切ではないでしょうか。

墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.161～0.154マイクロシーベルト（午後11時～午前0時）