区が建設を強行!すみだ北斎美術館のお粗末な中身を知ろう!第16話 沼田月斎の肉筆? [開館後毎年5億円の赤字!すみだ葛飾北斎美術館]
墨田区が平成23年度補正予算で購入した沼田月斎(ぬまたげっさい)の肉筆と言う事で、何故か参考資料と言う名目で1万8千円で購入した「大黒天図」(だいこくてんず)と呼ばれる肉筆です。
墨田区は北斎美術館の建設を強引に進めて居ますが、その理由として世界的に有名な葛飾北斎の偉業を顕彰する事を目的とする謳い文句とは裏腹に、門人の作品と称してこの様なものを購入しています。
予算消化の為か、収蔵品の数を多く見せる為の意図的な購入かも知れないのです。
では、上の写真をご覧ください、葛飾北斎の門人である沼田月斎の肉筆だと言う振れこみですが、これには葛飾北斎が用いた遠近法が使われて居ません。
これは、ここに描かれた米俵の大きさを上手(画面に向かって左)前のものと下手(が目に向かって右)後方の米俵の大きさを比較して見れば遠近法が使われて居ない事がわかると思います。
逆に、後方の米俵の方が大きくちぐはぐな感じを受けますし、遠近法が使われて居ない為に画面がべったりとしてしまい、まるで図面を見て居る様な印象を受けてしまいます。
これでは葛飾北斎の門人の作品まで購入する意味が無いのではないだろうか、弟子の作品に北斎の教えや影響を見る事が出来ない作品を展示して何の意味があるのでしょうか。
大黒天様の大きさも米俵の大きさと対比しますと小振りで、これではディズニー映画「白雪姫と七人のこびと」に出て来るキャラクターと同じ位の大きさに感じます。
その為現在では、アニメ等で登場する妖精等のイメージでも小さなもに神秘を感じますし、大黒天が降臨したかの様な印象を持ちますが、これが作られたのは江戸時代末期と言う事を考慮しますと矛盾がございます。
そこで、江戸時代の人達が大黒天の大きさをどの様に感じて居たか、と言う観点から考察しますと、江戸期に作られた俵に乗った大黒様像が多く残され、ここから当時の人々が想像する大黒様の大きさを知る事が出来ます。
一般に見られるのが二つ並べた俵に座る姿ですからかなり大柄なイメージを持って居た事がわかります。
大黒天は五穀豊穣の農業の神として信仰を集めて居た事は言うまでもありません。
江戸時代以前は、君主に対する対義語で小人(しょうじん)意味は、身分の低い人間、教養や道徳心に欠ける人間と言う概念がございますから、五穀豊穣の農業の神である大黒天をこの様に小さく描くだろうか。
そう考えるとこれも比較的新しい時代に描かれた可能性が高く、表装も悪いのか皺が多く出て居る事が確認出来ます。
いずれにしても、来歴が不明ですからこれだけで沼田月斎の肉筆として墨田区が計画する葛飾北斎を顕彰する美術館が展示を目的に購入するには考察が足らないのではないでしょうか。
はっきり申し上げてこれも沼田月斎どころか、ガラクタを買ってしまった可能性が高いと言わざるを得ません。
葛飾北斎の門人を扱う事で儲かる人達は古美術商で、葛飾北斎の真作は今では極めて少なく市場に出る事が殆ど無いので商売になりませんが、門人となると量が増えますし、その鑑定も曖昧になりがちですから怪しいものが出回ります。
お値段も怪しさゆえに当然安くなりますから、古美術品が解らないまま購入する人が居ますから古美術商にとっては儲けが多い美味しいビジネスになる訳です。
北斎ビジネスはこうした所を金儲けのチャンスとして、専門家の居ない地方自治体の設立する美術館を狙って古美術利権を構築しようとしているとも考えられます。
古美術は人気がある作者程贋作を掴まされる可能性が高く、特に来歴が不明なものは殆どが価値の無いものと考えるべきです。
個人的に古美術品を買おうとされる方は、作者が生存している確かなものを買うのが手堅い方法だと思います。
内容がきちんと確認出来ないものに、区民の多額の税金が捨てられて居る様に感じるのは私だけでしょうか。
墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.161~0.159マイクロシーベルト(午後11時~午前0時)