日銀の金融政策決定会合から見る日本経済のゆくえ!消費税増税を乗り越えられるのか [世界経済と日本]
日本銀行は8日の金融政策決定会合で、当面の金融政策運営について以下の通りにする事を決定しました。、
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、マネタリーベース(日本銀行が供給する通貨)が、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うとしています。
この事はどう言う事を意味しているのか解説致しますとマネタリーベースとは「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」で解り易く言うと市場に流れる資金供給量を増やして景気を良くしようとす金融政策です。
このマネタリーベースを年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うとはどの位規模かという事が問題になります。
この事は日銀が2日発表したマネタリーベースを見ますと3月末残高は219兆8855億円となり2カ月連続で過去最高を更新しています。
4月以降マネタリーベースを年間約60~70兆円に相当するペースで増加させようと言う事は14年末270兆円の残高を目指して異次元緩和政策の継続をしようとしてい居る事が解ります。
消費者物価は前年比1%台前半ですから緩やかなインフレ傾向が本年度も続く事を示唆しています。
しかしながらこれは金融政策上のお話ですからあくまでも参考にすべきで、更に大きい変動要因として消費税の増税が消費マインドにどの程度影響を与えるかを見極める必要があります。
今回の消費税増税は一部の大企業は給料が上昇していますが、日本の全産業の99.7パーセントを占める中小零細企業の従業員の給料は増えて居ませんし、年金等の負担の増加や諸物価の上昇で実質的な所得は減っているからです。
これが消費にどの様な影響をもたらすか常に見極める必用がございます。
特に物販は暫く低迷すると見られ、消費者は生活防衛のために必要なものしか買わないと言う消費行動が予想されます。
つまり安い商品を衝動買いする事は少なくなり、必要なものは買うが、いらないものは買わないと言う二極化が起こり易くなります。
景気の回復にはいくら日銀が金融緩和をしても銀行からお金を借りる人が増えない限り市場に現金は出回りませんから、本格的な景気の回復には中小零細企業が設備投資する意欲が出るかどうかにかかって居ます。
またインフレに強い財産である土地は都心等の付加価値の高い土地は値上がり傾向になると思われますが、郊外や利便性の低い土地はそれを売って付加価値の高いもに買い替える動きが出ますと値下がりが予想されます。
何れにしても消費税増税による消費マインドの落ち込みは避けられませんから状況によっては以前行われたエコポイントの様な何らかの追加的な経済施策が必要になると予想します。