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両国シティーコアに見る東京都の土地信託事業の失敗で30億円の負債!誰が負担するのか [東京都都議会]

20120225-1.jpg[カメラ]東京都は両国シティーコアをはじめ合計5つの土地信託事業を行っていますが、バブル期に行われた土地信託事業は地主が土地を信託銀行等の受託者に預け、受託者は貸しビル等を立て地主が配当を受け取る仕組みです。

しかしながらこれには大きなリスクが伴い、信託期間満了時に土地の価格や家賃が下落した場合負債が残るリスクがあります。

両国シティーコアは、日大講堂跡地にバブル全盛期の1992年完成した商業や都民住宅等が入る複合ビルです。

東京都は、信託銀行3行と1993年から2012年の20年間にわたり、地代の代わりに83億円の信託配当を受け取ると言う甘い計画で土地信託を行いました。

しかし、昨年度までの19年間の配当実績は僅か6億円余りと計画と著しくかけ離れた結果になりました。

この背景には、バブルの崩壊で資産デフレが発生し土地の値段が下落したり、家賃収入が予想に反して伸びなかった事が大きく影響しています。

当時の東京都の財務局はバブルの崩壊を想定しておらず、土地価格が右肩上がりに上昇するとの甘い見通しで事業を行った様ですが、満期と共に土地と建物の他に借金も返還される恐さを満期になってやっと気付いた様です。

この方法は一種のデリバティブ(金融派生商品)で、銀行はリスクを回避しながら地主土地を信託契約で一定期間預かり複合ビルを建設しその収益から配当を行います。

信託銀行はこれで信託収入と利息収入で推定59億円を稼ぎ出しましたが、東京都は、6億円の配当を貰いましたが、約30億1,500万円の借金が残る結果になりました。

収益が上がらなければ配当は減りますし、信託期間が満了した段階で負債や土地建物の清算を行う仕組みです。

一見、信託とか配当と言うと安全な様に見えますが、金融商品の多くが全て予想配当ですから、信託財産が保証されるものではありません。

バブル時には過去のデーターを基に試算しますから、恐らく高い配当が出るとされて居たと思われます。

銀行は、信託期間は安定した信託報酬が受け取れる代わりに、信託財産が値上がりした場合は信託の者の儲けとなり、逆に値下がりした場合は信託者が損を負担する事になります。

つまり、銀行はどっちに転んでも儲かる仕組みで、土地を信託した人は儲けも大きいかも知れませんが損をする可能性も高いし金融商品を買わされた訳です。

そもそもデリバティブを理解しない行政の役人が、この様なものに手を出す事が間違いで、使われるのが我々都民の財産と税金を使って、上がるか下がるかで博打をしている様なものです。

今年の3月末の事業報告では、借入残高が約40億3,600万円で満期までの返済予定額は約10億2千万円ですから、結果的に約30億1,500万円の借金が残り、その返済を迫られた訳です。

東京都は信託契約を5年延長し、その間の収益で信託銀行に17億円支払い、最終的に都が13億円を支払って債務を完済するそうですが、行政の失敗を我々の税金で支払う結果になります。

民間活力導入と言う大義名分で行われた東京都の事業ですが、行政の役人が土地を信託して稼ごうとして失敗し、損失は我々の税金でと言う結果なら、役人に余計な事業はさせないのが一番ではないでしょうか。

[ひらめき]墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.155~0.143マイクロシーベルト(午後11時~午前0時)


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