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日銀の放任姿勢への失望から株価下落!各国から批判に耐えた日銀黒田総裁の狙い! [世界経済と日本]

20130614-1.jpg[カメラ]日銀の黒田総裁が長期金利の上昇について「実態経済には影響しない」との考えを示したとや、「景気の上昇やインフレ基調の強まりが、日銀の金利抑制策を上回り、金利の上昇に結びつくこともありうる」との発言を受けて13日は終値で840円の急落となりました。

日銀の放任姿勢への失望売りとの声がある様ですが果たしてそうなのでしょうか。

こうした状況で仮に日銀が市場の求めに応じて追加緩和策を取ってしまうと実は大変危険なのです。

相場が乱高下している状況では極端にどちらかに動く可能性が高く、この時点で追加緩和策を取れば一気に上昇転じた可能性はあるのですが、急激に上昇したものは再び急落する事も暗示しますので持続的経済成長にはマイナスになります。

金融政策の本来の目的は、物価の安定、雇用水準の維持、経済成長の維持、の大きく3つがあり、更に、国際収支の均衡、為替レートの安定、の合計5つ の目的があります。

私が大学時代国際金融で習った時は「物価の安定、雇用の安定、為替の安定」の3つだった記憶がございますが、最近の時代の流れと共に5つに増えている様です。

つまり日銀の金融政策は「安定」を目指すものですから、相場が乱高下してしまう事を嫌いますし、こうなると実態経済に思わぬ悪影響が出て健全な経済成長が見込めなくなるからです。

これは飛行機の操縦と似て居て乱気流等で機体が急上昇した事に驚いて下降操作をしてしまうと、上昇気流の後には必ず下降気流にぶつかりますので今度は急降下してしまい、最悪は機体がきりもみ状態になり墜落してしまう危険があるのです。

特に金融政策では、舵取りを行ってから効果が表れるまでのタイムラグがございますので、それが実感出来るまでに時間がかかるのです。

長期金利が急上昇して居ると言う事は、デフレ経済からインフレ経済に変るであろう事を予想して今の内にお金を借りて比較的安い価格に放置されて居る株や不動産に投資しようとする資金需要があるからではないでしょうか。

昨日のブログでも取り上げましたが、お金は銀行から借り入れをする人達の借金で物や土地等を購入し、その代金を受取った人達が銀行に預金する事で、連鎖的な信用創造を生み出しますから全体のお金の量が増えるのです。

私が為替ディラー時代はバブルの初期から崩壊期でしたので、その凄まじさを経験しました。

当時のバブルの原因は土地を担保にした借入による信用創造がバブルを作り上げました。

分かり安く解説しますと、10億円の土地を持つ人がこれを担保に9億円借りて、9億円の土地を買いこれを担保に入れて8億円を借り、更に8億円の土地を買うと元々10億円の原資が17億円に膨らむのです。

これと同様の事を一斉に多くの人が行いますと銀行の貸出額が莫大になりバブル景気が起こります。

バブルが崩壊すると土地の価格が下がり、担保の10億円が半分の5億円に減り、9億円で買った土地が4.5億円になり、8億円の土地が4億円になりますので、合計13.5億円になりますから、3.5億円が消えてしまうのです。

実際には、更に激しく5分の1位に下落したので銀行は大量の不良債権を抱えたものの、公的資金投入や合併等で倒産を免れました。

新聞等では「日銀の放任姿勢への失望」とか書き立てておりますが、こんな報道に反応して追加緩和をすれば株価だけでなく物価の急騰による経済の混乱を招いてしまい、喜ぶのはヘッジファンドだけと言う事になり兼ねません。

これまでの株価の上昇は、アベノミクスへの期待感や株価の先高への期待感で上がって居るだけですので、中々期待通りに景気が良くなったと実感出来ない事が不安となった事や、やはり外圧による影響が強い様です。

[ひらめき]墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.135~0.130マイクロシーベルト(午後11時~午前0時)


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