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依然と厳しい中小企業の製造現場現実!製造が海外に流出したまま戻って来ない! [技術立国日本のハイテク技術]

20130905-1.jpg[カメラ]景気動向を調査する為中小企業の製造現場を視察いたしました。

写真は数日後に出荷を予定している電子線照射装置、所謂電子ビームと呼ばれるものです。

実はこの装置を作るには相当の技術が必用なのです。

電子線照射装置内部では、放射線が発生しますのでそれを遮蔽する技術が必用で、更に内部は真空になりますからその圧力に耐える加工や構造や更に外部の空気が入らない気密性が求められます。

更に、内部で発生する電子線を制御させ照射物に必用な量や範囲に的確に電子線照射させなければなりません。

日本の中小企業は相変わらず高い技術レベルを保持している事は言うまでもありませんが、仕事が安定して入る訳ではありませんので現場では大変な苦労をされているのです。

今回訪問した企業も工場の稼働率は7割だそうで、残業をしない等の方法で従業員の数を減らす事無くやりくりをしているそうです。

かつての得意先だった大手企業が海外に工場を作り部品や設備等も現地で調達してしまうので、安定して流れる仕事は海外に取られてしまい、それが戻って来ないのだそうです。

最近為替が円安になり1ドル100円を付ける様になりましたので、少しは景気が良くなる期待はあるのですが、問題は国内の中小企業に仕事が回って来るのかどうかです。

特に部品の納入では定期的に流れるので安定した収益が見込めるのですが、毎年の様に求められる根引き要請で従業員を遊ばせない為にやっているのがやっとですとの事でした。

私も若い頃は商社マンとしてこうした会社に仕事を発注したり納期を守って貰えるよう経過を伺いに行った経験がありますが、当時と比べると仕事量が激減している事に驚きました。

昔は中小企業はフル操業で夜遅くまで仕事をしても追いつかない程仕事がありましたが、今ではこうした光景は先ず見られません。

この原因は大手企業が多国籍企業化してしまい、人件費の安い振興国に次々に製造拠点を持つ様になった事が原因です。

その根本的な原因は、価格破壊に見られる消費市場の動向の変化で消費者はより安い物を買いたがりますから、品質よりも価格となり価格競争の激化が、人件費の安い振興国に生産が移り国内での景気が悪化する負の連鎖です。

TPPで製造業が良くなると考えられるのは、多国籍化した大企業だけで、実は中小企業は世界的な価格競争に巻き込まれますから更に厳しくなると思われます。

大企業も多国籍化した大企業間の争いになりますから戦略を誤れば直ぐにその地位を奪われてしまいます。

やはり自由競争だけでは格差を拡大させてしまいますから、皆が安心して暮らせる為には適正なルールーや規制を作る必要があります。

このままアメリカのペースでやられてしまえば、日本では格差が激しくなり産業の空洞化に拍車がかかり、国力の源泉となる勤勉な国民性や技術力が失われてしまいます。

やはり日本の場合中小企業が良くならなければ景気が良くなりません。

訪問した企業でも設備投資して新しい機械を買うと言う気が起きないそうで、それだけの設備を購入して償却出来る見通しが立たないのが最大の問題です。

政府が金融緩和をしても景気が良くならないのは、銀行からお金を借りる人が少ないからです。

大企業は社債や株を発行し自分で資金を調達してしまうので、日銀の金融緩和とはあまり関係ありません。

そもそも中小企業が銀行からお金を借りる様にならないと、日銀の金融緩和の効果が出て来ません。

これは信用創造と呼ばれるもので、銀行からお金を借りる人が増えると相対的に通貨の供給が増え景気が良くなるのです。

まさにバブル期がそうで、土地や物価が上がるので借金してでも買おうとした結果相対的に通貨が増えて更に土地や物価が上がる様になり、それはバブルの崩壊まで続きました。

行き過ぎは良くありませんがなだらかな景気の回復には、これをうまくコントロールする必要があります。

しかし、最も大切な役割が期待されるのが中小企業ですから、政府も大企業も中小企業が良くならなければ景気は回復しない事を自覚すべきではないでしょうか。

[ひらめき]墨田オンブズマンの空間放射線量計の値、0.145~0.137マイクロシーベルト(午後11時~午前0時)


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