北斎美術館資料に1億5千万円の補正予算が可決!1億5千万円がガラクタになる確率! [開館後毎年5億円の赤字!すみだ葛飾北斎美術館]
墨田区が平成11年2月19日に葛飾北斎の肉筆として6,300,000円購入した「大津絵と鬼」と題された紙本一幅です。
区議会第4回定例会でも指摘しましたが墨田区はこれまでに多くの葛飾北斎の肉筆を購入しておりこれらを展示すれば何も補正予算を組んでまで1億5千万円もの肉筆を買う必要があるのでしょうか。
仮に1億5千万円で北斎の肉筆を購入したとしてもそれが真筆でなかったら判明した段階で価値のないガラクタになってしまいます。
上の「大津絵と鬼」をご覧ください。
この絵をご覧下さいこれは静岡県三島市中田町1−43にございます佐野美術館が所蔵する葛飾北斎の肉筆の「鬼図」の鬼の部分です。
佐野美術館が所蔵する葛飾北斎の肉筆の「鬼図」は落款が葛飾北斎のものですし、来歴が明らかで葛飾北斎の晩年の門人である本間北曜に北斎が89歳の時に直接与えた事が右下の部分に書かれて居ますし、北曜の日記にも6月8日にもらった事が記載されて居ます。
こうした来歴からも真筆である事が確認出来ますから、北斎の真筆をご覧になりたければ佐野美術館へ行かれるべきだと思います。
古美術もダイヤやブランド品等の鑑定と同じで常に本物を見ていると次第に良し悪しや本物かどうかも見抜けるものです。
しかし、墨田区が630万円で購入した「大津絵と鬼」は来歴が不明ですし、同じモチーフを描いて居る筈ですが躍動感が全く違いますし、口の部分をご覧下されば描写(portray)が全く異なる事に気付かれるのではないでしょうか。
更にこの2枚の肉筆を比較しますと、佐野美術館の「鬼図」には刺身が盛られた皿の絵やの酒徳利の模様まで細かく描かれておりますが、墨田区のものは総じて雑に描かれ前に置かれたものを見て居ません。
この部分は画家の人物描写力が分かる部分で佐野美術館の「鬼図」には鬼が頼光から酒やご馳走を出され腕を組みながら食べるべきか止めるべきか葛藤する心の内面まできちんと描かれて居ます。
これは一条天皇が京の姫君が次々と神隠しに遭った為に安倍晴明に尋ねた所大江山に住む鬼の酒呑童子の仕業と分かり源頼光を討伐に行かせ、頼光が鬼に毒酒を飲ませて寝込みを襲い鬼の首を取った伝説を描いたものと思われます。
ここに葛飾北斎が世界的に評価される理由があるのです。
しかし、墨田区の「大津絵と鬼」は鬼の前に置かれた絵を見て居ませんから鬼の表情にリンクするものがございませんので作者が何を言いたいのか読み取れませんから、私はこの絵は価値が無いガラクタだと判断居たします。
墨田区が北斎美術館資料に1億5千万円も使う事はこうした繰り返しになる恐れがあると危惧致します。
そもそも葛飾北斎の真筆は多くが海外の著名な美術館が所蔵しており、経済が安定し戦争も無い国で所蔵されて居ますので先ず外部には流れて来ませんし、仮に本物が出て来れば世界的な大ニュースで取上げられる筈です。
墨田区がこれ程の大量の肉筆を持って居るのに世界的に大ニュースとして取上げられない理由はその中身に問題があるからではないでしょうか。